千葉県自然保護課との話し合い

行徳野鳥観察舎を今月28日から休館にする──。これを県が突然
発表しました。12月10日のことです。県民はこのことを翌11日の新
聞報道で初めて知りました。
 県は同時に、行徳野鳥観察舎を廃止する方針も発表しました。

 そこで、三番瀬保全団体と千葉県野鳥の会のメンバー、市川市民
はきのう(25日)、行徳野鳥観察舎を担当する県自然保護課と話し
合いました。
 話し合いの目的は、行徳野鳥観察舎の休館と廃止方針を決めるに
いたった経過や自然保護課の考えを聞くこと。そして、行徳野鳥観
察舎の早期再開・存続を求めることです。

 話し合いには行徳野鳥観察舎を利用している16人が参加しました。
 県自然保護課は、橋本欣也副課長と小倉久知副課長(鳥獣対策)
のほかに、鳥獣対策班の萩原妙子副主査、久保田尚副主査の4人が
出席しました。

 県は行徳野鳥観察舎の廃止方針案を11月17日開催の県行政改革審
議会に諮問しました。
 話し合いに参加したメンバーは、行徳野鳥観察舎がはたしている
重要な役割を説明し、野鳥観察舎の存続を強く訴えました。
 三番瀬保全団体などは1月に市川市と話し合うことにしています。

 「行徳野鳥観察舎を愛する者一同」が行徳野鳥観察舎の再開と存
続を求める署名を始めました。12月24日までに集まった355人分の署
名を県知事あてに郵送しました。この署名は昨日(25日)の朝、自
然保護課に届きました。

 今朝の『産経新聞』がこの問題を大きくとりあげています。いい
記事です。ご覧ください。

 ☆千葉県行徳野鳥観察舎、28日に休館 耐震性に問題
  住民ら、存続願い署名運動(『産経新聞』千葉版、12月26日)
 http://www.sankei.com/region/news/151226/rgn1512260025-n1.html

 行徳野鳥観察舎の再開と存続を求める署名簿は次のインターネッ
トディスクに転送してあります。ダウンロードして使ってください。
http://pub.idisk-just.com/fview/bVmbI6MAemwcc82QbneQ6x5J7ZpElsekXwa2KhW2C2PR-dOXwWBMHWbLfmt_OqCc

以下は25日の県自然保護課とのやりとりです。


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  行徳野鳥観察舎の廃止方針で県自然保護課と話し合い

                     2015年12月25日
               千葉県庁県議会棟第1会議室

       〔出席者〕
        県自然保護課     4人
        自然保護団体     11人
        (三番瀬保全団体と県野鳥の会のメンバー)
        市川市民       5人
        丸山慎一県議(同席)


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◎廃止方針案を審議会に諮問したいきさつ
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◇自然保護団体
 行徳野鳥観察舎の廃止方針案を県行政改革審議会に諮問したいき
さつを説明してほしい。

◆自然保護課
 県が管理する施設の全体の見直し方針は平成24年にだされた。そ
のときは、行徳野鳥観察舎を市川市に移譲する方向で市と協議を進
めることになっていた。
 市川市と協議するなかで、「市川市は受け入れられない」という
ことになった。それをふまえて、今回の見直し方針案が作成された。
 見直し方針案では、野鳥観察舎の建物が老朽化していることなど
をふまえて廃止を検討するとなっている。
 それとは別に、今年10月に野鳥観察舎を耐震診断した結果、施設
が老朽化していることや、柱などがかなりひび割れが目立っている
ことがわかった。IS値(構造耐震指標値)が0.11というかなり悪
い結果がでた。そのため、利用者の安全を考慮し、行政改革審議会
の結論をまたずに行徳野鳥観察舎を休館することにした。

◇自然保護団体
 野鳥観察舎の廃止方針案は自然保護課が作成したのか。

◆自然保護課
 自然保護課ということではなく、庁内で検討した結果として廃止
方針案が決まった。

◇自然保護団体
 野鳥観察舎の建て替えや耐震工事はしないということか。

◆自然保護課
 その点については、行革審議会で結論がでたあと、その結論をふ
まえてどうするかを検討することになる。
 審議会は年明け(1月19日)に開かれる。県が示した方針案をも
とにして審議会で議論される。最終的にだされた結論をもとにして、
県が今後どうするかを検討する。

◇丸山県議
 県の方針案を決めるにあたって、自然保護課はどのようにかかわ
ってきたのか。

◆自然保護課
 野鳥観察舎は自然保護課が担当している。ほかに、行革を進めて
いる課がある。また、財政に関係する課がある。したがって、どこ
の課がということではなく、県として議論した結果、廃止方針案を
きめた。


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■野鳥観察舎の必要性に関する自然保護課の認識
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◇自然保護団体
 自然保護課としては、野鳥観察舎が重要な施設であるという認識
はもっているのか。

◆自然保護課
 重要な施設であると認識している。

◇自然保護団体
 私たちは野鳥観察舎を早く再開できることを願い、自然保護課が
やろうとしていることをバックアップしたいと考えている。そのよ
うに前向きに考えている。
 そこで、自然保護課の考えを率直に教えてほしい。自然保護課と
しては、行徳湿地(行徳鳥獣保護区)には野鳥観察舎が必要と認識
しているのか。それとも、いまの野鳥観察舎は老朽化しているから
廃止しても仕方ないと思っているのか。あるいは、行徳湿地には野
鳥観察舎自体が必要ないと思っているのか。この点をお聞きしたい。

◆自然保護課
 行徳湿地は首都圏に残された貴重な自然環境であると認識してい
る。したがって、行徳湿地については、今後もきちんと管理してい
きたい。
 県民が行徳湿地の自然環境にふれたり、野鳥観察をしたりするう
えで、なんらかの施設は必要だと認識している。

◇自然保護団体
 その施設というのは、いまあるような野鳥観察舎ではなく、たと
えば野鳥を望遠鏡で観察できるような施設でよい、という考えなの
か。

◆自然保護課
 その点については、行革審議会の結論がでたあと、その結論をふ
まえて、関係者のみなさんの意見をうかがいながら検討したい。


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◎野鳥観察舎の管理運営形態について
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◇市川市民
 野鳥観察舎を県の施設として維持しないというのが県の方針との
ことだが、どこかが管理を引き受けることになれば、野鳥観察舎の
建て替え(または耐震改修)は県が行うのか。それとも、野鳥観察
舎そのものが必要ないということなのか。

◆自然保護課
 その点については、いろいろな形態が考えられる。審議会の結論
をふまえて、関係者のみなさんの意見を聞きながら検討することに
なる。

◇市川市民
 県としての方針案を審議会に諮問した。私が知りたいのは、方針
案の中身を知りたいということだ。どこかが引き受けてくれれば、
建物は県が建て替えるということなのか。それとも、建物は必要な
いということなのか。審議会に諮問する方針案を検討するなかで、
その点についてどう検討したのか。それを知りたい。

◆自然保護課
 そこまでは検討していない。野鳥観察舎の運営主体としてこうい
う団体があるというイメージをもっておられたら教えてほしい。
 これまでは、市川市へ移譲する方向で市と協議をつづけてきた。
ところが、市川市もいろいろと事情があって引き受けできないとい
うことになった。
 市川市以外で運営主体になりうるところがありそうだったら、提
案してほしい。

◇自然保護団体
 野鳥観察舎の管理運営について指定管理者制度を導入すればいい
のではないか。たとえば県民の森は指定管理者制度を導入している。

◆自然保護課
 今回の方針案は、野鳥観察舎をどのように運営するかということ
ではない。県が公の施設として管理する必要性が低いということで
廃止の方針案を決めた。

◇自然保護団体
 公の施設として管理する必要性が低いというのは、自然保護課と
しての考えなのか。

◆自然保護課
 野鳥観察舎を廃止するという今回の案は、県の方針として外向け
に打ち出された。その点を理解していただきたい。

◇自然保護団体
 野鳥観察舎のあり方を検討するさいは、自然保護課がイニシアテ
ィブをとることが必要だ。それを私たちがバックアップする必要が
ある。だから、自然保護課の考えをここで示してほしい。

◆自然保護課
 野鳥観察舎廃止の方針案を打ち出した理由として3つある。ひと
つは、施設の老朽化にともなってかなり高額な補修費がかかること。
二つめは、利用者がピーク時にくらべてかなり減っていること。そ
して三つめは、そういう施設を維持していくとランニングコストが
かかるということだ。
 そういうことを総合的にみて、今後県として関与していくのはき
びしいのではないか、というのが結論である。
 したがって、県が指定管理者制度を導入して管理していくのはむ
ずかしい。
 県が関与しない形で野鳥観察舎の存続を実現できる方法があれば、
検討の選択肢になる。


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◎突然の休館決定は納得できない
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◇自然保護団体
 急に休館を決めて、そのあとで今後の方向を検討するというのは
納得できない。

◆自然保護課
 公の施設の見直し方針の議論と、耐震診断結果をふまえた休館は、
まったく別の話だ。公の施設の見直し方針案は行革審議会で今後議
論される。その結論をふまえて今後どうするかを検討する。
 その結論を待っていると時間がかかってしまう。耐震診断結果が
今年10月にでた。かなり悪い結果がでた。その結果をふまえて休館
を決めた。

◇自然保護団体
 休館を決める場合は、利用者のことを考えなければならない。
 千葉県野鳥の会は行徳湿地の観察会を毎月開いている。地元の人
たちも行徳湿地を利用している。私たちは、私的にも観察会をひん
ぱんに行っている。そのときに、野鳥観察舎を急に休館にされると、
利用者はたいへん困る。休憩場所もない。トイレもない。
 行徳湿地や傷病鳥収容施設(野鳥病院)を管理している職員たち
も、管理機能をはたせないのではないか。休むところがない。デー
タの整理ができない。事務もこなせない。
 したがって、そのような最低限の機能をはたせるような施設を緊
急につくるべきだ。それをしないで急に休館したら困る。

◆自然保護課
 休館は緊急避難的に決めた。さまざま管理機能は管理人棟に移し、
そこでやってもらうことにしている。

◇自然保護団体
 管理人棟というが、かなり古い民家だ。たいへん狭い。そんなと
ころで本来の事務はできない。しかも、トイレは一つしかない。私
たちが行徳湿地で開いている観察会は、多いときで120人ぐらい参加
する。トイレが一つでは、使いものにならない。

◆自然保護課
 トイレについては、観察会のときだけ、野鳥観察舎の1階を使っ
ていただくということも考えている。


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◎野鳥観察舎の予算について
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◇自然保護団体
 自然保護課の来年度(平成28年度)予算要求では、野鳥観察舎に
関する予算はどうなったのか。休館・廃止の方向なので、野鳥観察
舎に関する県の予算額はゼロになったのか。

◆自然保護課
 来年度予算案では、野鳥観察舎に関するものははずしている。野
鳥観察舎の見直しの方向性が決まるまでには、あと何カ月かかかる。
それまでは休館がつづくことになるからだ。

◇自然保護団体

 野鳥観察舎に関する今年度の予算はいくらなのか。文化的なもの
はカネがかかるからもうやめるというのはおかしいのではないか。
野鳥観察舎は市川市民の方が日常的に利用している。また、全国か
ら行徳湿地を見に来る人もいる。

◆自然保護課
 野鳥観察舎に関する今年度の予算は約2000万円だ。

◇自然保護団体
 2000万円は行徳湿地や野鳥病院の管理にかかる経費も含まれてい
る。野鳥観察舎そのものにかかっている費用は500万円くらいしかな
いはずだ。かりに野鳥観察舎を廃止しても500万円ぐらいしか減らな
いと思う。この点はどうなのか。

◆自然保護課
 野鳥観察舎で働いている方々は、野鳥観察舎と行徳湿地と野鳥病
院を兼務されている。したがって、野鳥観察舎だけの経費だけを抜
き出すのはむずかしい。

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◎経費だけでなく、文化面・環境面も考慮すべき
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◇自然保護団体
 経費だけでなく文化面や環境面も考慮すべきということについて
はどう考えているのか。

◆自然保護課
 その点はおっしゃられるとおりだと思っている。
 建て替えの経費は算定していない。耐震工事をする場合は、概算
で1億2000~3000万円ぐらいかかるのではないかとみている。

◇丸山県議
 金の面でいえば、幕張メッセも行政改革審議会の検討対象になっ
ている。しかし、メッセはそのまま存続になっている。毎年、県が
2億円とか3億円を一般会計から赤字補てんしている。つまり、幕
張メッセのような施設は、一般会計から何億円も赤字補てんして存
続させる。ところが、行徳野鳥観察舎のような施設は、年間で
2000万円しかかからないのに廃止するという。耐震工事するとして
も、幕張メッセの赤字補てん額(年間)の半分以下でできる。そこ
になにがあるのか、ということだ。
 ここにきておられるみなさんからみれば、自然保護課は自然環境
や文化の重要性をいちばんわかってくれる部署である。その自然保
護課が、全体の流れに巻き込まれて「県全体の方針だから仕方がな
い」と言うのでは困る。自然環境や文化を守るという立場にたって、
県庁のなかでがんばってもらいたい。いっしょにやりたい。そうい
う趣旨できょうの話し合いをもった。
 立場があるので、いろいろとたいへんところがあるだろう。しか
し、自然保護課が発信しなかったら、だれも言わなくなる。
 来年度予算要求を各課から財政課に提出するさいの締め切りは
10月16日となっていた。その段階では耐震診断結果がわかっていた
のではないか。

◆自然保護課
 その段階では、耐震診断結果はまだでていなかった。したがって、
財政課への予算要求の段階では野鳥観察舎を継続するということに
なっていた。今年度と同じ約2000万円を要求した。


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◎記帳者数と実際利用者数の乖離
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◇市川市民
 野鳥観察舎を廃止する理由の一つとして利用者の減少をあげられ
た。しかし、野鳥観察舎に置かれている来館者記帳簿には記帳しな
い人が圧倒的に多いと思う。私は野鳥観察舎の近くに住んでいるの
で野鳥観察舎をよく利用するが、記帳しない場合が多い。
 利用者が減っているというその数はどうやって把握したのか。

◆自然保護課
 来館者の記帳で把握している。利用者数のピークは、昭和58年度
の5万人である。ここ3年間は、平成24年度が1万1407人、25年度
9897人、26年度1万2885人となっている。

◇市川市民
 来館者に対して「記帳してください」と言う人はいない。だから、
記帳する人は少ない。じっさいの利用者は記帳者の倍以上いるはず
だ。そのように事実と違う数字を廃止の根拠に使うというのはやめ
てほしい。

◇自然保護団体
 私たちが開く観察会の参加者も、野鳥観察舎をちょっと利用する
人は記帳しない。


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◎行徳野鳥観察舎は千葉県が誇るべき施設
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◇自然保護団体
 行政改革を進める立場からすれば、利用者が減ったとか、費用が
かかるとか、耐震性能が低いというような理由をあげる。しかし、
自然保護課の立場としては、今後も存続させるべき施設ということ
を理解しているのではないか。そういう立場から発言し、理解して
もらうようにがんばっていただきたい。そうしなかったら自然保護
課の仕事もなくなってしまう。

◇市川市民
 行徳野鳥観察舎の役割は、湿地を保全することの大切さを実験的
に証明していることだ。行徳野鳥観察舎は、生物多様性の重要なポ
イントを歴史的に担ってきた。日本のなかで、そういう場所がほか
にあるのか。ないではないか。行徳野鳥観察舎は、湿地の浄化能力
の高さも実験で明らかにした。この野鳥観察舎は、いくら金をだし
てもいいくらいの、たいへん重要な施設である。だれもやれないこ
とをやってきた。

◇自然保護団体
 私は、行徳野鳥観察舎がオープンした40年前(昭和51年=1976年)
からこの野鳥観察舎にかかわっている。その当時は、全国でも野鳥
観察舎はここしかなかった。千葉県が誇るべき施設である。全国の
野鳥愛好家や自然保護活動家の間では、行徳野鳥観察舎を知らない
人はいない。だから、行徳野鳥観察舎を廃止するという方針は全国
的な話題になっている。
 野鳥観察舎の利用者は、年1万人としても40年で40万人である。
そういう人たちの意見を無視し、たんに金がかかるというだけで廃
止するのはやめてほしい。自然保護課にはぜひがんばってほしい。
「行徳野鳥観察舎は千葉県の星」ということで、ぜひ存続させてほ
しい。自然保護課にとっても非常に重要な施設だと思う。

◇自然保護団体
 行徳野鳥観察舎はたいへん重要な役割をはたしている。一つは観
察機能だ。行徳湿地の鳥を野鳥観察舎から観察できる。野鳥観察舎
に置かれている資料をみながら観察できる。二つめは管理機能だ。
行徳湿地を管理したり、傷病鳥を収容したりしている。そして三つ
めは利用者の休憩機能だ。行徳湿地にやってきた人が館内で休憩し
たりトイレを利用したりすることができる。
 これまでと同じように、3つの機能を備えた恒久的な施設をつく
ってほしい。その案を自然保護課として作成すべきだと思う。
 傷病鳥収容施設と行徳湿地は今後も維持するとなっている。それ
らを維持・保全するために3つの機能を備えた建物をぜひつくって
ほしい。
 といっても、すぐにはつくれないと思うので、緊急措置として、
管理機能と休憩機能をそなえた施設を早急につくってほしい。
 来年度の当初予算案には盛り込まれていないので、補正予算でも
いい。恒久的な施設ではなく代替の簡易施設なので、そんなに費用
はかからないと思う。そこには管理職員のためのスペースや事務室
も確保してほしい。

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◎行徳鳥獣保護区は日本の湿地保全の象徴
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◇自然保護団体
 宮城県の伊豆沼・内沼はラムサール条約湿地である。そこで湿地
保全活動を行っている嶋田さんから千葉県知事に要望書がだされて
いると思う。
 嶋田さんはこう述べておられる。
「行徳鳥獣保護区(行徳湿地)は日本の湿地保全の象徴です。各地
で湿地を保全したり自然を観察したりしている人々の心の支えとな
っています。湿地を保全するためには、人が集うことのできる施設
が必要です。そこで人の気持ちがつながるからです。私は東日本大
震災の被災地に住んでいます。津波によって建物がなくなっても、
仮設の施設で集まることができれば人はつながれることを実感して
います」
 だから、行徳野鳥観察舎を休館したら、すぐに代替施設をつくっ
てほしい。プレハブでもいい。
 休館のまま放っておくと、全国からクレームがつくと思う。日本
の自然保護行政の感覚は地に落ちてきたな、と判断せざるをえなく
なる。

◆自然保護課
 きょういただいた意見は、ひとつの材料としてきちんと受けとめ
させていただく。
 ただし現時点では、どういう展開になっていくかがわからない状
態だ。

◇自然保護団体
 この問題に関する要望は県にたいしてどれくらいだされているの
か。

◆自然保護課
 メールを24件いただいている。

◇自然保護団体
 行徳湿地と行徳野鳥観察舎の存在は、隣の宮内庁の新浜鴨場と密
接に関係している。その鴨場との関係はどう考えているのか。

◆自然保護課
 先ほど指摘された観察機能や管理機能などの必要性は認識してい
る。


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◎市川市の対応
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◇自然保護団体
 市川市は行徳野鳥観察舎をなぜ引き受けないと言っているのか。

◆自然保護課
 市川市としての行革が理由と聞いている。

◇自然保護団体
 市川市の担当課(窓口)はどこか。

◆自然保護課
 自然環境課だ。

◇自然保護団体
 県が野鳥観察舎を耐震工事をしたあとに移譲する場合でも、市川
市は断ると言っているのか。

◆自然保護課
 そこまで具体的な話はしていない。

◇自然保護団体
 県が野鳥観察舎を耐震工事をしたあとに市に移譲するということ
について、県はどう考えているのか。

◆自然保護課
 市川市は平成19年度頃、野鳥観察舎を含めた行徳湿地全部を市に
移譲してほしいという要望書を県に提出した。ところが今年度にな
ったら、受け入れられないということに対応が変わった。


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◎今後のことは審議会の結論がでたあとに検討
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◇自然保護団体
 県が野鳥観察舎を耐震工事または建て替えをしたあとに第三セク
ターあるいは企業などに譲渡するということは検討したのか。

◆自然保護課
 行革審議会に県の方針案を諮問したが、それがどうなるかわから
ない。
 行革審議会には外からの目が入る。審議会の結論がでたあとに県
が最終方針案を決める。自然保護課が野鳥観察舎を具体的にどうす
るかを考えるのはそのあとになる。
 次の行革審議会は年明けに開かれる。しかるべき時期に審議会の
最終案がだされると聞いている。

◇丸山県議
 「外からの目」といっても、それが澄んだ目なのかどうかはわか
らない。行革の基本は経済だ。いかにコストをカットするかが基本
だ。福祉の施設も、こうした自然環境の施設も、幕張メッセも、す
べて同じ基準で篩(ふる)いにかける。しかし、文化や環境や生活
は金にかえられない。それをごちゃまぜにやっている。
 そういうなかで、澄んだ目でただしていくというのは、いちばん
その役割を知っている自然保護課のみなさんが発信するしかない。
 だから、ここに出席されたみなさんは、行革待ちではなくて、行
革の議論に働きかけて、みなさん方が望むような結論がでるように
していただきたいと要望している。
 そういう趣旨でがんばっていただきたい。

◇市川市民
 県が打ち出している見直し方針案はいまの野鳥観察舎の建物を廃
止するということであって、今後どうするかについては結論をだし
ていない。そういう理解でいいのか。

◆自然保護課
 県の方針案は、公の施設として県が関与することはやめるという
ことである。
 ただし、行徳湿地の中で野鳥観察舎が大きな機能を占めていると
いうことは事実である。したがって、方向性が決定したあとで、建
物を含めて今後どうするかを検討することになる。

◇丸山県議
 つまりは、鳥獣保護区は維持するが、野鳥観察舎は県の施設にし
ない。たとえば山階鳥類研究所が野鳥観察舎を引き受けることにな
れば、それでいい。そういうことだろう。

◆自然保護課
 県の方針案では、行徳湿地と傷病鳥収容施設(野鳥病院)は継続
して維持することになっている。

◇自然保護団体
 行徳湿地は宮内庁の新浜鴨場と密接に関係している。外国から来
られた要人も、鴨場とセットで行徳湿地を見学している。野鳥観察
舎の廃止方針案を打ち出すにあたって、宮内庁の意見は聞いたのか。

◆自然保護課
 野鳥観察舎の休館については、宮内庁に伝えた。


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◎「現段階では流動的なところがある」
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◇市川市民
 行徳野鳥観察舎のIS値(構造耐震指標値)は最小の0.11と示さ
れている。しかし、2011年3月11日の東日本大震災のときも、野鳥
観察舎はなんでもなかった。浦安と同じ埋め立て地なのでかなり揺
れたはずなのに、窓ガラスは1枚も割れなかった。それなのに、建
物がすぐにつぶれそうな数値がでている。私はこの数値自体を疑っ
ている。どうやって出したのか。これを理由にして休館したり廃止
したりするのは不適切だと思う。

◆自然保護課
 耐震診断については、施設改修課を通じて入札で業者を決めた。
 IS値が0.3未満だと、震度6強以上の大規模地震が発生した場
合は倒壊する危険性が高いとされている。

◇自然保護団体
 船橋市内の中学校の先生方が、校外学習として行徳野鳥観察舎に
生徒を連れてくることがある。ある先生からこんな話を聞いた。
 「野鳥観察舎に連れていくと、生徒はすごく興味を示す。自分と
しては、野鳥観察舎を含めた行徳湿地をさらに充実させてほしい」

◇自然保護団体
 行革審議会の答申がでるのはいつなのか。

◆自然保護課
 つぎの審議会は1月19日に開かれる。それを受けて最終方針がい
つ決まるかということはつかんでいない。最終方針案が決まってか
らパブリックコメント(意見公募)にかかる。そのあと、県の行革
本部で最終決定になる。したがって、現段階では流動的なところが
ある。


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 以上です。
 最後に、今後も話し合いを続けることを確認しました。